流行り物を使う時の注意する亊

発達にも影響?気づかないうちにやってしまっていることとは。

子どもに対して、大人が良かれと思ってしたことが逆効果になるときがあります。

大人の都合で進めてしまい、後から子どもが苦労してしまうということも多くあります。

保育園に通っている園児を見ていると、これは子供にとってあまりよくない影響を与えているのではないかな、と思うようなものが多々見受けられます。

そんな中でも意外とやってしまいがちなものをいくつかご紹介します。

着替え

ある時、今まで自分で着換えていた子が、突然何もしなくなってしまいました。

先生が手伝えばちゃんと着替えるのですが、自分からやろうとはしなくなってしまいました。

話を聞いてみると、原因は服自体にあったようです。

自分でやろうとしても出来ないことが続き、次第にやる気がなくなってしまったようです。

親目線で子供の服を選ぶと、どうしても流行りや可愛さなどに目が行きがちになってしまいます。

ただ月齢の低い子が実際にやろうとするには、かなり無理があるものが多くありました(先生が手伝っても着脱させづらいときがありました)。

  • ボタン

ボタン自体は子供も興味をもってやろうとしますし、実際に先生たちも手作り玩具としてよく作っています。

ただ、一般的にボタンができるようになってくるのは3歳ころからと言われています。それもある程度の大きさがあるものになります。

子ども服自体が小さいので、当然ボタンも小さいものになります。

手先がまだ上手く使えない2歳くらいまでは、ボタンのない服、あってもスナップボタンのようなものの方が、無理なく着替えに興味を持てるようになると思います。

  • 素材

最近小さい子の服でもよく見るようになってきたのがデニム素材のズボンです。

基本的にデニム素材の物は、あまり伸び縮みせず硬めに出来ています。

乳幼児はお腹ポッコリ体型の子が多くいます。又、手や指の筋力もまだ弱いので、ひっぱりあげたりすることも苦手です。

いつもファスナーが上がらない、お腹のボタンがとまらないでは着換えることが嫌になってしまいます。

先生たちが着替えを手伝う時も、無理に引き上げるのは、まだ関節などがしっかりしていない子どもにとってはとても危険なことになります。

デニム素材のズボンを履かせるのは、着替えが自立してからの方がいいかもしれません。

  • デザイン

スキニータイプやスリムタイプのようなズボンや、体にフィットするようなタイプのシャツなども、物をつかむ力が弱い子供にとっては着替えづらい服の一つになります。

最近では大人の服と同じようなおしゃれな子供服が多くなっています。

お出かけの時や自宅で着てもらうのは全然かまわないと思います。

保育園で見ているのは、先生やほかの子供たちだけなので、デザインよりも一人でできたり、着換えることに興味を持てるようなものを用意してもらった方がいいと思います。

家で、矯正箸を使っているという家庭が多くなっています。

矯正箸は、初めて箸を使う子に正しい箸の持ち方を教えられるということで、利用している保護者の方もたくさんいます。

ただ、全員ではないのですが、家で箸を使っているということで給食時箸を出してみると、上手に使えない子もかなり多くいます。

矯正箸は、まだ指先や腕の力が弱い子どもにとって、持ち方の練習や箸を始めるためのきっかけとしてはとても便利です。

しかし、これだけを使っていればいいというわけではありません。

あくまでも矯正箸は導入なので、普通の箸と並行して使い、移行させていく事が大切になります。

ストローマグ

2歳近くなってコップで上手にものを飲めない子がいました。

聞いてみるとかなり最近まで物を飲むときにマグを使っていたそうです。

ストローマグは、まだ上手にコップを持てない子にも持ちやすく、フタがついていて中身をこぼすこともないので、使われている方も多いのではないでしょうか。

親としては、一緒についていなくても問題ないし、こぼして色々な所を汚さないでくれるので、ついコップ飲みの練習を先延ばしにしてしまうそうです。

保育園や幼稚園での水分補給は、基本的にコップを使います。

発達的にも、哺乳瓶・スプーン・コップ・ストローという段階が望ましいそうなので、マグだけに頼らず、コップの身も並行して行うことも必要ではないかと思います。

大人の都合ではなく

子どものためと思ってやっていても、気付かないうちに大人の趣味や都合で変っていってしまうことがたくさんあります。

流行りの物や便利なものを使っていく事はいいことだと思います。

ただし、それだけに頼らず、もう一度子供の目線で考えてみることが、その子の成長にとって必要な事なのかもしれません。

 

noboru著