保育園の待機児童が解消されてきたとはいえ、まだ希望の園に入れない人も多くいます。
ただ園によっては、月齢次第ではかなり余裕のあるところも少なくありません。
現に新規園でも、高月齢のクラスは初年度受け付けないというところもあります。
空きがある高月齢クラスにはいれない、でも保育園には入れたい、と言う人はまだたくさんいます。
保護者の方は保育園に何を求めているのでしょうか。
3歳
「来年から幼稚園に行きますので、3月で保育園を退園します」
この様な家庭が多くなってきているように感じます。
小規模保育という、0歳児から2歳児までの園もありますが、多くの保育園は0歳児から(一部1歳児から)就学前の5歳児まで預けることが出来ます。
一時期は1歳児の待機児童が多いということで、行政は乳児の受け入れ先を作ることに力を入れました。(1歳児だけの園というものも作られました)
その結果、3歳児になると預け先がなくなるという、「3歳児の壁」が問題になりました。
行政の方は、認可外保育園を認可保育園に変えたり、新しい保育園を作るなどで3歳児以降の預け先を確保しようとしていきました。
新しく保育園を作る際(特に認可保育園)も、特別なことが無ければ基本的に5歳児まで預かることを前提とした園にするよう、行政の方から話があります。
園児の定員数も月齢が上がるごとに、前の月齢と同数、若しくはそれ以上の人数に設定することが基本になります。
特に2歳児までは、前の月齢児以上に設定しなければいけない場合が多いです。
その様な状況の中で、3歳になると幼稚園に行く子が増えているということは、いつまでたっても3歳児以上のクラスは空きがあるようになってしまいます。
現在3歳児になると進路の選択肢が増えます。
保育園・幼稚園に加えて最近ではこども園も出来ています。
保護者によっては保育園に入園した時点で、3歳からは幼稚園に通わせることを決めている人も多くなっているように感じます。
本来保育園は、主に就労等で保育にかける場合保護者に変って保育を行う場所です。
待機児童対策で保育園が増え、全員ではありませんが、多くの人が子供を預けられるようになりまた。
そうなると、どうしても預けなければならない人だけでなく、余裕があるが預けられるとより助かるといった、必ずしも保育に欠ける方ではない人も預けられるようになっています。
本来の保育園の在り方とは違うようになってきているのではないでしょうか。
習い事
保育園を選ぶ基準も色々あります。
家に近く通いやすい、保育の質が高い、上の子が通っていてよかった等様々な理由があります。
最近では、保育方針や内容だけでなく、様々な付加価値をアピールする園が多くなってきています。
その一つが英語です。
インターナショナル系だけでなく、英語学習を売りにしている保育園はとても多くなっています。
小学校で英語教育が必須化されるようになると保護者の方も、英語教育を行っていることを重視する人が増えてきたように思います。
子どもの方も普通に「アップル」「ドッグ」等の単語を話しています。
以前1歳児で、「レッド」「ブルー」等ブロックの色をほぼ英語で話せるような子供がいました。
色だけでなく犬(ワンワン)や猫(ニャンニャン)等、小さい子どもが最初に覚えるような単語も英語で話していました。
その家では、ディズニーの映画などを吹き替えでなく、英語で流して見せていたそうです。
ただその子は、その時点ではまだ、日本語の単語はほとんど話してはいませんでしたし、自分の名前も言えてはいませんでした。
その子は極端な例かもしれませんが、実際に1歳から「りんご」を「アップル」と覚えさせるような家は多くなっているように感じます。
保護者によっては、「なぜ英語をやらないのか」と要望を出してくる人も増えてきています。
保育園の在り方
前にも述べましたが、保育園は就労等で保育にかける場合保護者に変って保育を行う場所になります。
「保育」とは主として、健全な心身の発達・自主性の尊重・日常の生活習慣の指導など、生命や生活といったものに趣をおいています。
決して教育を行わないわけではありません。
最近では、園によってそういったものに力を入れる園も多くなってきていますし、求めている保護者も多くなっています。
ただ、あくまでも保育園は「保育」を行うところになりますし、先生たちも施設も「保育」を行うことを前提としています。
保護者の方も、共働きだから保育園ではなく、生活環境や子供に何をさせていきたいのかを考慮した選択が必要なのかもしれません。
H42cghf著