働く母親
働く親にとって、子供が病気になった時どこを頼るかということを決めておくことは重要だ。
近くに親や兄弟姉妹などがいればいいが、そうでない場合は仕事を休むしかないことが多いだろう。
小さな子供はすぐに熱を出したりお腹を壊したりする。
年の近い兄弟がいた場合は、一人の具合が悪くなると、もう一人・・・。
と続けて具合が悪くなることもある。
今の時代、近くに親兄弟もいない、頼れる親戚もいないという家庭は多い。
そんな人にとっては、保育所の対応や職場の理解はとても重要なものだ。
保育所
私には2歳違いの娘と息子がいる。
二人とも1歳にならないうちから保育所に通っていた。
娘は健康であまり具合が悪くなることはなかった。
男の子は弱いというが、御多分に洩れず息子はよく熱を出した。
保育所は登園前に検温し、37.5度以上熱があれば休ませなければならないというのが標準だろう。
この基準のうるさいところもあれば、それほど厳密でないところもあると思う。
私が子供達を通わせていた保育所は、看護師が常駐していることもあり、比較的許容範囲が広かった。
明らかに37.5度を超えていなければ「様子をみましょう」と言って預かってくれたのだ。
そんな保育所なので、登園後に熱が出た場合でも、38度を越えなければ
「ちょっと熱がありますけど、様子をみますね」
という程度の連絡がくる。
38度を超えると、
「お仕事の都合がついたらでいいんで、お迎えお願いします」
と、すぐに迎えにこいと言われることはなかった。
私もその言葉に甘え、仕事の区切りがつくまで、2〜3時間してから迎えに行くこともよくあった。
あるとき、息子が38度を超える熱があると保育所から連絡があった。
「ちょっと熱が高いですけど、お仕事の区切りがいい時でいいのでお迎えお願いしますね。」
その日は忙しくなかなか仕事が抜けられず、迎えに行くことができたのはだいぶ時間が経ってからだった。
しかしその間、特に迎えの催促の電話はなかった。
実際保育所についてみると、息子はおでこや背中に「冷えピタ」を貼られ、目は虚ろに涙をにじませ、かなりの高熱のようだった。
すぐに迎えにいけなかったことをとても後悔したが、そこまで具合の悪い子供でも「働く母親」の立場を理解し、しっかりと保育をしてくれた先生たちには本当に感謝しかなかった。
数ある子供の体調不良の中でも、この時のことは本当に記憶に残っている。
それまでもかなり頼りにしていた保育所だったが、このことで私はそれ以上に保育所に感謝し、安心して子供達を預けることができた。
病児保育
そんな面倒見の良い保育所は、働く母にとってはとてもありがたいが、実際にはそこまで面倒を見てくれないところもあることだろう。
そんな時に頼れるのは病児保育だ。
「病児保育」とは、その名の通り、熱が出たり具合の悪くて保育所に預けることができない子供を預かってくれる場所だ。
私の住んでいた地域でも、近所の小児科が「病児保育」をやっていて、具合の悪い子供達を預かってくれていた。
もちろんお金はかかるが、子供が病気で保育所に行けない時はとても助かる。
インフルエンザやおたふく、水疱瘡などの感染症の場合は預かってもらえないが、初めに病院を受診し、問題なければ熱があっても預かってもらえる。
場所によって受け入れ人数が決まっているため、風邪の流行っている時期などは預かってもらえないこともあるが、このような受け皿があることを知っているのといないのではかなり違うものだ。
幸い私には頼れる身内がいたため、病児保育を利用することはなかったが、近くに頼れる人がいない親にとってはとても助かることだろう。
小学校
さて、そのようなありがたい環境で育児をしていた私だが、娘が小学校に入ったときに大変驚かされたことがあった。
娘が小学校に入って数ヶ月した頃のことだ。
職場に小学校から電話がかかってきた。
「娘さんが37度の熱があるので、すぐに迎えにきてください。」
「37度ですか??」
正直びっくりした。
「37度で呼び出されるなんて!」
熱以外に特に症状もなく、保育所では絶対に預かってもらえた状態だ。
しかも「今すぐ」迎えにこいと言われ、本当に戸惑った。
しかしその後、学校や幼稚園ではそれが普通であることを知る。
それまでも保育所にはとても感謝していたが、その時はどれだけ保育所がありがたいものだったのかを再確認させられた。
全ての保育所が同じとは限らないが、やはり保育所は「働く親たち」の味方だ。
今都会ではなかなか保育所にはいれず仕事に復帰できない母親が多いと言う。
そのような状況が早く改善され、皆が私のように安心して働けるような世の中になってほしいと切に願う。
hmoeeod著