保育所と幼稚園の違い

小学校就学前に行かせるなら保育所?幼稚園?それともこども園?

幼稚園と保育所

小学校入学前に子供がお世話になるところと言ったら、保育所か幼稚園だろう。

この似ている様で違う保育所と幼稚園。

その違いはどの様なものなのか?

保育所は厚生労働省管轄の「児童福祉施設」で幼稚園は文部科学省管轄の「教育機関」。

保育所の先生は「保育士」で幼稚園の先生は「教諭」。

つまり、保育所は仕事などで子供の世話ができない親のために子供を保育するところで幼稚園は学校。

保育所は長時間預かってくれるが、幼稚園は14時くらいには帰ってきてしまう。

保育所には夏休み・冬休みがないが、幼稚園は長期の休みがある。

保育所は0歳から預かってもらえるが、幼稚園は3歳から。

私が子供の頃、私の育った地域では、保育所に1〜2年通った後、小学校入学までの1年は幼稚園に通う子供が多かった。

その時代はまだ専業主婦が多く、また田舎であったため農業や自営業の親が多かったこともある。

私の母は専業主婦だったが、なぜか私は1年だけ保育所に通った。

「なんでお母さんは家にいたのに私は保育所に行けたの?」

と聞いたことがある。

「昔は適当に理由作れば入れたのよ。」

と母は言っていた。

しかし時代も変わり、共働き夫婦、核家族化が進んだ現在は、乳幼児期から小学校入学まで保育所に通う子供が多いように思う。

小学校入学前の選択

私自身、子供が小さいころは保育所に通わせていた。

しかし年中になる頃になるとある選択を迫られた。

幼稚園の対象年齢になり、そのまま保育所に通わせ続けるのか、幼稚園に移るのか。

保育所と幼稚園。

一見似ているこの施設の違いを、当時の私はよく分かっていなかった。

「どっちでもいいんじゃない?」

と思っていたのだが、私の周りは「小学校に入る前には幼稚園に行くべき」という人が多かった。

「幼稚園は学校だから、小学校入学前に必要な教育をしてくれるが、保育所はただ預かるだけで何もしてくれない。」

というのがその理由のようだった。

しかしフルタイムで仕事をしている親にとって、午後2時ごろに終わってしまう幼稚園は、その後の面倒を見てくれる人が必要だ。

しかし私が住んでいたところは田舎で、近くに祖父母がいたり、農家や自営業で時間に融通が利く人が多く、幼稚園の年齢になると保育所から幼稚園に代わる人が多かった。

 

保育所は教育しない?

「保育所は幼稚園のように勉強を教えてくれない。」

そんなことはない。

保育所の方針次第だとは思うが、ある程度のレベルの教育をしてくれるところもある。

現に私の子供たちが通った保育所は、集団行動もひらがなも入学前にしっかりと指導してくれた。

実際幼稚園と比べたことがないのでわからないが、小学校に入学後に幼稚園出身の子供と比較して「劣る」ということはなかった。

逆に幼稚園出身でもできない子はできない。

結局私は幼稚園は選ばず、二人とも保育所を卒園し小学校に入学させた。

保育所でしっかり躾をしてくれたおかげで、小学校での集団生活も問題なく、勉強も困ることはなかった。

逆に保育所は幼稚園に比べて先生たちと関わる時間も長く、先生との信頼関係がとても強かった様に思う。

だから私は子供たちを保育所に通わせたことを良かったと思っている。

認定こども園

しかし最近は保育所か幼稚園かで迷わなくてもいい場所もある。

それは「こども園」というものだ。

保育所と幼稚園の両方の機能を持つ幼保一体型の施設だ。

私が今住んでいる地域でも、6箇所ずつあった保育所と幼稚園は全て「こども園」に統合されている。

今は保育料が無償化され、収入にもよるがお金の面では保育所も幼稚園も変わらない。

保育所希望の家庭は夕方まで、幼稚園希望の家庭は午後2時ごろお迎えに行く。

しかし皆同じ「こども園」から小学校に進むため、入学してもほとんど顔見知りということになる。

また、初めは保育認定で通園していても、途中から幼稚園の基準認定に変えることも可能であり。

普通保育所に通わせている場合、途中で退職したり育休に入ると退所を余儀なくされるが、「こども園」であれば園を代わることなく済むケースも多い。

このような「こども園」という選択肢が増えたことはとても便利だ。

この「こども園」はまだまだ数が少ないというが、私が住んでいる地域は皆保育所と幼稚園が統合され「こども園」になっている。

田舎のため子供の数が少ないということも「こども園」に移行された要因の一つだとは思う。

しかし共働き夫婦が増え、保育を必要とする家庭が増えた現代では、もっとこの「こども園」が増え、家庭の状況に合わせて転園することなく保育の条件を選択できる様になると、親も子供もとても助かると思う。

これからは時代に合わせて子育ての環境も随時変化していくべきなのだろう。

hraizu著