左利きを矯正する話し

左利きは矯正するべき?子どものために保育所でできること。

左利き

“左利き”と聞くとどんなことをイメージしますか?

不便そう、不器用そうと思うでしょうか?それとも天才肌、スポーツで貴重なサウスポーなどと思うでしょうか?

その昔左利きは、身体や精神の障害、国によっては不浄、魔女といって差別迫害の対象にされ、どの国においても幼いころから家庭内で厳しく矯正されてきたのだそうです。

しかし現代では左利きは障害ではない、左利きは立派な個性と認識されるようになり、左利きのままでも問題ないという風潮に変わってきています。

それでも、この右利き社会で生活する上での不便さを考慮して、左利きへ矯正することも多いです。

生まれて2歳ごろまでは両方の手を使い、正確に利き手が定まっていないのだそうです。

だいたいの場合、利き手が分かるのは3歳前後。

左利きに矯正をする場合この頃に始めるのが一般的で、歳を重ねるにつれ矯正は難しくなっていきます。

なので、年齢的に保育士や幼稚園教諭の力を借りて矯正をすることが多いでしょう。

褒めることが大切!

具体的に左利きを矯正とはどういうことをするかというと、クレヨンやボールを持つとき右手で持つように誘導し、自分で右手で持った時に思いっきり褒める!というやり方。

子どもは大人に注目してもらいたい本能があり、大人が嬉しそうな顔をしたり笑った顔をしていると、自然とその時やった行動を繰り返すようになります。

そして、何度も繰り返していくうちに右手の感覚にも慣れてきて、右手を使うことに違和感を覚えなくなっていきます。

昔はこの矯正の時、体罰をもって指導していた時代もあったそうです。

左手を使ったら手を叩いたり大きな音をたてたりして、「左手を使うことは悪いこと」と認識させる方法です。

しかしこれは今では絶対にやってはいけない方法です。

子どもからしたら、“使いやすい手を使っているだけ”なのです。

それをいきなり痛い思いをして使いにくい手を使わされる……。

子どもにとって何故そうさせられるのか理解はできません。

元々左利きは右利きとは違って脳の働きが異なるため、それを無理やり変えられることによってストレスを感じ、吃音症やかんしゃく、夜尿症の原因になるのは今も昔も変わりません。

そのうえ幼い頃から“自己を否定される”経験をすることによって、極度の怖がりになったりうつ病になりやすくなったり、性格形成において重大な問題を抱えることになります。

矯正したA君の話

一歳の時に入所してきたA君。大人しくて、絵を描いたり積み木などの物を使って遊ぶのが大好きな性格の子でした。

A君が左利きだと分かったのは2歳半ごろ。

このことは保護者と相談し、家庭の教育方針に合わせて矯正するかしないかの選択をします。

まだ頭の柔らかいこの時期は、繰り返しの動作が身につきやすい時期です。

幸いにもA君は、絵を描くことなど物を使うことが好きなタイプ。

好きなことで矯正するのは、上達のスピードも比較的早くなります。

A君が左手を使って何か動作をしようとした時、そっと右手に持ち替えてあげました。そして手を握ってあげた状態で一緒に動作をしてあげます。

このスキンシップをとることは大切な要素で、触れられることにより安心させることができます。

最初は何度も左手を使おうとして、右手に持ち替えるたびに不満そうな表情を浮かべていたA君。

繰り返し一緒に動作し褒めてあげることでA君自身も自信がつき、右手を使って何かをすることが楽しくなっていったようです。

これは家庭でも繰り返していくことが大切で、やはり保育士よりもお父さんお母さんに褒められた方が子どもとしても嬉しいのでしょう。

A君のご両親、そして何よりもA君自身の努力によって、比較的早いペースで矯正できました。

矯正は必要?

A君の場合はスムーズに矯正できましたが、全員が上手くいくわけではありません。

左手を使えないことによって暴れてしまったり、泣いて何もしてくれなくなったり、子どもによって反応はまちまちです。

どうしても上手くいかない時は本当に矯正が必要なのか、今一度考えてみる必要があります。

確かに、右利き社会で生きていくうえで左利きは不便に感じることも多いでしょう。

しかし、現在は左利き用のアイテムもたくさん世に出回るようになってきました。

そして、左利きのままでも活躍している人は大勢存在しています。

 

その子にとって、左利きの矯正は本当に必要なことなのか。

その子の将来のためにも、真剣に考えるべきだと思います。